力を確保したるものなり※[#白ゴマ、1−3−29]彼は既に一着を贏ち得たり※[#白ゴマ、1−3−29]攻守の位地は忽ち一転せり※[#白ゴマ、1−3−29]彼は関東東北九州の諸団体に伝令して組織改造に反対するの決議を為さしめたり、排星運動の計画者は、今や星氏の逆襲を受けて意気漸く沮喪せむとせり、星氏は粗硬に似て実は機敏なる所あり、土佐派は智巧なる如くにして反つて迂拙※[#白ゴマ、1−3−29]自由党は依然として星氏の手中に在り。

      (八)政権分配論
 星氏は組織変更反対決議を為さしむと同時に、一方に於ては政権分配論を唱へて、局面一変の新手段を採りたり※[#白ゴマ、1−3−29]是れ自己に対する攻撃の鋭鋒を他に転ぜしめむとするの権謀なりと雖も、亦自由党の党略としても時機を得たるものと謂ふ可し。
 現内閣は自由党と休戚を共にすると揚言したるに拘らず、其為す所は、皆自由党の初志と背馳したりき※[#白ゴマ、1−3−29]特に文官任用令を正して政党員任官の門戸を遮断したるは、自由党の最も不快とする所なり※[#白ゴマ、1−3−29]何となれば是れ自由党をして単に政府に盲従せしめ、無意義の提携を継続せしむるの目的なればなり※[#白ゴマ、1−3−29]故に政権分配問題は、自由党の死活問題なり※[#白ゴマ、1−3−29]たとひ今日星氏に依て唱へらるる事となしとするも、其早晩自由党の大問題と為るに至る可きは自然の数なり※[#白ゴマ、1−3−29]今や自由党の現内閣に対する不平漸く長ずるを認むるに於て、星氏の機心敏慧なる、此党情を利用して局面を一変せむとす※[#白ゴマ、1−3−29]其智計土佐派を出づること一等なりと謂ふ可し。

      (九)自由党の実際的首領
 星亨氏は真に自由党の実際的首領なり※[#白ゴマ、1−3−29]彼は政治上の公徳を解するの君子人に非ず※[#白ゴマ、1−3−29]されど其百折撓まざるの堅志と、其手段の善悪を選まずして邁往するの勇気とは、自由党を指導するの首領として最も適当なる人物なり※[#白ゴマ、1−3−29]世間或は彼れを以て浮浪の親方と為すものあれども、自由党の首領たるものは、寧ろ親方たる資質あるものに竢つ所あり※[#白ゴマ、1−3−29]収賄と言ふ勿れ、議員買収と言ふ勿れ、今の自由党を指導するの動力は、内治問題に非ず、外交政策に非ずして、唯
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