彼は主我的人物なり
若し彼をして單に放膽不諱、剛愎不遜の木強漢ならしめば、彼は僅に鷄鳴狗盜の雄たるに過ぎず※[#白ゴマ、1−3−29]何ぞ甚だ多とするに足らむや※[#白ゴマ、1−3−29]されど彼れに最も及ぶ可からざるは、其戸外の木強漢たると共に[#「其戸外の木強漢たると共に」に二重丸傍点]、室内の讀書家たる是れなり[#「室内の讀書家たる是れなり」に二重丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]此れを聞く、彼は別に他の嗜好なく、唯だ讀書を愛して、博覽人に超え、故陸奧伯の如き亦學問に於て彼れに師事する所多かりしと※[#白ゴマ、1−3−29]余は彼が果して讀書の才あるや否やを知る能はずと雖も、其讀書の嗜好ありて多讀を貪るの人たるは、彼を知るものゝ皆許す所なり※[#白ゴマ、1−3−29]彼れが自由黨に在りて、巍然一頭地を出だす所以のものは、蓋し自由黨中復た一人の彼に優れる學者なきが爲ならずとせむや※[#白ゴマ、1−3−29]而も彼は多く理窟を語らずして[#「而も彼は多く理窟を語らずして」に白丸傍点]、反つて人の理窟を喋々するを笑ふ[#「反つて人の理窟を喋々するを笑ふ」に白丸傍点]※[#白ゴマ
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