の情形不穩にして鐵道保護の必要ありと稱して、兵力を以て之れを占領し、尋で露國關東總督アレキシーフと盛京將軍増祺との間に、滿洲に關する密約締結せられたりとの報ありしがゆゑに、公は同盟會員を私邸に招集し、我政府をして滿洲占領の撤兵及び露清密約の成立に反對するの方法を執らしめむことを決議したりき[#「我政府をして滿洲占領の撤兵及び露清密約の成立に反對するの方法を執らしめむことを決議したりき」に傍点]。
 既にして露清特約更に露都に於て成立を告げむとするや、公は清國の大官重臣に警告するに、極力特約に抗拒すべきを以てし、我政府も亦公等の主張を容れて、露國政府に露清特約を廢棄すべしと忠告すると同時に、清國全權に向ても特約に調印すべからずと通告したり。斯くて露清條約は成立せざるを得たりと雖も、露國は依然事實上の滿洲占領を繼續したるを以て、公は滿洲開放統治策を起草し、之れを劉坤一、張之洞の兩總督に贈りたり。其の大意、滿洲を開放して[#「滿洲を開放して」に傍点]、各國の利權を均霑せしめ[#「各國の利權を均霑せしめ」に傍点]、以て其の領土を保全するの得策なるに如かずといふに在り[#「以て其の領土を保全する
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