格に賦與せられたる天品なればなり[#「寧ろ公の人格に賦與せられたる天品なればなり」に白丸傍点]。

      清國保全主義
 公の政治的生涯は甚だ短かりしと雖も、其の言動の録すべきもの甚だ少なからず。中に就き特筆大書すべきは、清國保全の旨義を唱道して國論を統一したる是れなり[#「清國保全の旨義を唱道して國論を統一したる是れなり」に白三角傍点]。
 明治三十三年義和團の蜂起するや、清廷之れを勦討するの擧に出でず、却つて陰に之れを助けて、其の排外的暴動を煽揚したりき。是に於てか、各國は兵を北清に出して清廷の罪を問はむとし、而して露國は此の事變を奇貨として滿洲を占領せむとするの色ありしを以て、公は清國分割の端或は此の間に啓けむことを恐れ[#「公は清國分割の端或は此の間に啓けむことを恐れ」に傍点]、清國保全の旨義を標榜として國民同盟會を起したりき[#「清國保全の旨義を標榜として國民同盟會を起したりき」に傍点]。當時國内には、或は清國分割を主張するものあり、或は滿韓交換を説くものありて、國論紛々歸著する所なく、特に政友會は、總務委員會を開きて國民同盟會の行動を非認するの决議を爲したりき。然れど
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