訪ふて、侯に入黨を勸め、以て全黨指導の位地に立たむことを請ふや、侯は更に熟考の必要ありと稱して即諾を與ふるに躊躇したりき。余を以て其の心事を推すに、第一歴史あり情實ある既成政黨に入るときは[#「歴史あり情實ある既成政黨に入るときは」に白丸傍点]、勢ひ自家の自由手腕を拘束せられて[#「勢ひ自家の自由手腕を拘束せられて」に白丸傍点]、十分其の意見を行ふこと能はざる恐れあり[#「十分其の意見を行ふこと能はざる恐れあり」に白丸傍点]。第二舊自由黨には政敵多く[#「第二舊自由黨には政敵多く」に白丸傍点]、特に侯の政友は侯と倶に舊自由黨に入るを好まざりし事情あり[#「特に侯の政友は侯と倶に舊自由黨に入るを好まざりし事情あり」に白丸傍点]。第三舊自由黨は[#「第三舊自由黨は」に白丸傍点]、當時局面展開を唱へて山縣内閣と提携を絶ち[#「當時局面展開を唱へて山縣内閣と提携を絶ち」に白丸傍点]、隨つて事實上山縣内閣に反對する態度を執りしを以て[#「隨つて事實上山縣内閣に反對する態度を執りしを以て」に白丸傍点]、若し伊藤侯にして此の際舊自由黨に入りて之れを指導するに至らば[#「若し伊藤侯にして此の際舊自由黨
前へ 次へ
全497ページ中44ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
鳥谷部 春汀 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング