て裸躰の英雄に非らざるの嫌あるを免かれず」に白丸傍点]。此に彼れの性格を判斷せしむる面白き一事實あり※[#白ゴマ、1−3−29]彼れが前年井上條約案に反對運動を試み居るの際なりき※[#白ゴマ、1−3−29]一日故後藤伯の馬車を借り、俄に立憲大臣に假裝して、意氣揚々と早稻田の大隈邸に乘り込み、以て衆人に一驚を喫せしめて自ら喜びたること是れなり※[#白ゴマ、1−3−29]何ぞ其れポンチ畫中の滑稽人物に近きの太甚しきや※[#白ゴマ、1−3−29]斯くの如き風采は、決して英雄普通の性質と兩立せざるものなり。
彼れは常に矢野龍溪に兄事し、龍溪を以て大臣以上の人物なりと尊崇し、其人品を評して少なくとも當代一流といひたるものなり※[#白ゴマ、1−3−29]料るに彼れ龍溪を自己の模型となして之れに陶鑄せられんと欲するの餘り、遂に一個の小龍溪と爲りたるもの歟、然れども今や彼れは龍溪よりも大なる成功あり、多望なる前途を有するのみならず、比較的年少の身を以て多數の先輩を凌駕し、現に進歩黨中最も有力なる領袖と爲り、彼れの豫期せる立憲大臣の位地も遠からずして彼れを迎へんとするに至れるは何ぞや※[#白ゴマ、1−
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