組むのが巧みである」に白丸傍点]。河野の今囘の遣り口は、全く之れとは反對であるから、たとひ河野自身では俯仰天地に恥ぢざる積りでも、世間では陰險悖戻の策略を用ゐたものゝやうに彼れを非難するのである。
 △河野自から語る所では、奉答文を政治上の意義あるものとするのは、彼れの年來の持論で、彼れは議長の候補者に推された時、『若し當選して議長の椅子に就くことゝなつたら、此の持論を實行して見ようと決心した』さうだ。是れは眞實の自白[#「眞實の自白」に白三角傍点]に相違ない。要するに朝野を驚かした奉答文も、唯だ此の單純なる功名心[#「單純なる功名心」に丸傍点]から生れたので、策略だの陰謀だのといふほどのものでもないと考へる。
 △然らば彼れは何故に此の事を一應政友に相談せずに獨斷に遣つたかといふに、ソコが則ち河野本來の面目で[#「ソコが則ち河野本來の面目で」に二重丸傍点]、彼れは大事を行ふ場合に[#「彼れは大事を行ふ場合に」に二重丸傍点]、人と相談する男でない[#「人と相談する男でない」に二重丸傍点]。又た責任を人と分かつやうなことは好まない方だ[#「又た責任を人と分かつやうなことは好まない方だ」に
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