劾の上奏案が現はるゝのであつたかも知れない。併しソレにしても、十分當局者に質問をしたり、説明を求めたりして、其の上で正々堂々たる討論をも悉くし、今度こそは大に内閣の油を搾つて遣らうといふのは、聯合黨領袖株の心算であつたらしい。ソレデ河野が若し聯合黨の爲に謀つたならば、彼れは獨斷でアのやうな奉答文を朗讀する事は出來ぬ筈である。大石正巳は河野議長の處爲を非常に喜むで居つたさうだが、ソレハ一時の感興に打たれたからであつて深く考へて見たら決して喜ぶべき譯のものでない[#「ソレハ一時の感興に打たれたからであつて深く考へて見たら決して喜ぶべき譯のものでない」に傍点]。
△如何に目的が正しくても、手段が正しくなくては憲政を圓滿に發達せしむることが出來ない。少々は目的が間違つて居ても、之れを達するの手段が正しければ天下の同情を得ることがある。かるがゆゑに、政治家の苦心は、どうしたら手段が正しく見えるだらうと工夫することであつて、所謂る策士といふ奴は[#「所謂る策士といふ奴は」に白丸傍点]、目的は兎も角も手段を正しく見せ掛けるやうに仕組むのが巧みである[#「目的は兎も角も手段を正しく見せ掛けるやうに仕
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