、夫れ賢者は名を惜み[#「夫れ賢者は名を惜み」に傍点]、哲人は身を保たむことを思ふ[#「哲人は身を保たむことを思ふ」に傍点]、閣下はたとひ政治家たるの技倆なきも[#「閣下はたとひ政治家たるの技倆なきも」に傍点]、賢哲の用意を爲すに於て未だ必らずしも晩れたりと謂ふ可からず[#「賢哲の用意を爲すに於て未だ必らずしも晩れたりと謂ふ可からず」に傍点]、閣下何ぞ之れを熟計せざる[#「閣下何ぞ之れを熟計せざる」に傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]且つ夫れ閣下は蒲柳の質、氣力亦頗る衰へたり、曾てサーベル政略を以て黨人に畏怖せしめたるもの今は黨人を迎合して僅に一時の苟安を謀るに汲々たり、顧みて内外の形勢を觀れば、國務益々多端にして、總て盤根錯節を斷つの利器を待つものたらざるなし、閣下たとひ愛國の至情自ら禁ずる能はざるものあるも閣下の健康到底之れに堪へざるを奈何せんや、想ふに閣下亦必ず負荷の難きを知らざるに非らじ[#「想ふに閣下亦必ず負荷の難きを知らざるに非らじ」に傍点]、之れを知つて尚ほ且つ自から斷ずる能はざるは[#「之れを知つて尚ほ且つ自から斷ずる能はざるは」に傍点]、唯だ屬僚に對する關係より脱離す
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