下の聰明に訴へて[#「之れを閣下の聰明に訴へて」に傍点]、萬一の反省を求めむと欲するの微意のみ[#「萬一の反省を求めむと欲するの微意のみ」に傍点]、我輩は曾て閣下に何の恩怨なく、又何の求むる所なし、則ち其歎美す可きを歎美し、攻撃す可きを攻撃するに於て、一に事實と理義に據りて公明正大の論斷を下だすに過ぎざるなり。
 相公閣下、率直にいへば、我輩は閣下を當世の大政治家として、其人物を崇拜するものに非ず、又内治外交の政策に付ても、我輩は不幸にして多く閣下に同情を表する能はざるを悲む、さりながら維新の元勳として閣下の功勞は遠く伊藤井上の二者に出で、其維新後に於ける文武の事業も、亦赫々として人目に輝くもの多し、乃ち我輩は閣下の人物及其政策に敬服せざるの故を以て[#「乃ち我輩は閣下の人物及其政策に敬服せざるの故を以て」に白丸傍点]、決して閣下の國家に貢献したる功勞を忘るゝものに非ずと雖も[#「決して閣下の國家に貢献したる功勞を忘るゝものに非ずと雖も」に白丸傍点]、此れと同時に[#「此れと同時に」に白丸傍点]、我輩は近來閣下の政治的過失頗る少なからざるを認識し[#「我輩は近來閣下の政治的過失頗る少な
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