是れ豈驚く可き速力を示せる成功に非ずや。彼れは此の成功の分配者として最大なる人物なり[#「彼れは此の成功の分配者として最大なる人物なり」に二重丸傍点]。彼れは他の如何なる政治家よりも[#「彼れは他の如何なる政治家よりも」に二重丸傍点]、此の第一期の時代事業に貢献したる功勞多きは[#「此の第一期の時代事業に貢献したる功勞多きは」に二重丸傍点]、爭ふ可からざる事實なり[#「爭ふ可からざる事實なり」に二重丸傍点]。伊藤侯は憲法立案者の名譽を獨擅し得可し、然れども此の名譽は、板垣伯が國民的運動の首領として根氣よく國會論を繼續したる賜のみ。故に伊藤侯が故陸奧伯の献策を納れて、彼れの率ゐたる舊自由黨と提携せむとするや、先づ彼れと會合し、徐ろに説て曰く、足下は國會開設の主動者なり、我輩は憲法の立案者なり、乃ち立憲政治の美を濟すの責任は、懸つて足下と我輩との双肩に在らずやと。是れ一時人を欺くの甘言たるに過ぎずと雖も[#「是れ一時人を欺くの甘言たるに過ぎずと雖も」に傍点]、事實は之れを眞理として承認せざる可からず[#「事實は之れを眞理として承認せざる可からず」に傍点]。彼れは日本憲政史上に永久磨滅す可か
前へ 次へ
全497ページ中208ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
鳥谷部 春汀 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング