むとしたりき。嗚呼當年の彼れを以て之れを現時の彼れに比せば、殆ど喬木を出でて幽谷に遷りしが如し、誰れか其の變化の甚しきに驚かざるものあらむや。
然れども彼れは二十餘年間國民的運動の首領たりしが爲に[#「然れども彼れは二十餘年間國民的運動の首領たりしが爲に」に傍点]、其の資望は尚ほ隱然として[#「其の資望は尚ほ隱然として」に傍点]、重きを公私人の間に有せり[#「重きを公私人の間に有せり」に傍点]。彼れが勢力の源泉たりし一大政黨は[#「彼れが勢力の源泉たりし一大政黨は」に傍点]、既に彼れの手を離れて伊藤侯の領有に屬したれども[#「既に彼れの手を離れて伊藤侯の領有に屬したれども」に傍点]、新首領の訓練未だ到らずして[#「新首領の訓練未だ到らずして」に傍点]、往々舊首領の復活を希望するものあるのみならず[#「往々舊首領の復活を希望するものあるのみならず」に傍点]、世には人の美徳を歎美するもの稀れにして[#「世には人の美徳を歎美するもの稀れにして」に傍点]、寧ろ他の意中を曲解するを喜ぶの批評家多きがゆゑに[#「寧ろ他の意中を曲解するを喜ぶの批評家多きがゆゑに」に傍点]、彼れ少しく動けば[#「彼
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