同じからざるに由れり。凡そ黨派政治家は、大抵政治を狹義に解釋せり。彼等は政治を以て一種の專門技術と爲し、政治團體を以て特別なる社會の一階級と爲し、其の極端なる個人主義を抱けるものに在ては、社會の進歩と政治の進歩とは殆んど相關せざるものゝ如くに信ずるものなきにあらず。然るに大隈伯は、絶對的政治萬能主義にして、社會に於ける一切の改良及び進歩は[#「社會に於ける一切の改良及び進歩は」に二重丸傍点]、唯だ善政を行ふに依て之れを庶幾し得べしと信ぜり[#「唯だ善政を行ふに依て之れを庶幾し得べしと信ぜり」に二重丸傍点]。出世間的なる宗教すらも、大隈伯の見る所にては、亦政權の援助を借りて始めて其の健全なる發達を期し得べきものゝ如し。其の理想は斯くの如くなるがゆゑに、伯は勉めて社會の各階級と交渉し[#「伯は勉めて社會の各階級と交渉し」に白丸傍点]、之れをして政治と同化せしめずむば止まざらむとせり[#「之れをして政治と同化せしめずむば止まざらむとせり」に白丸傍点]。若し政治家をして一種の專門技術家たらしめば、伯の政治に於ける趣味は必らず索然として消滅せむ。何となれば伯の頭腦は總合的にして個人的ならざればな
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