反つて曲線的の行路を歩む[#「反つて曲線的の行路を歩む」に傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]唯だ惡を知りて惡を行はず[#「唯だ惡を知りて惡を行はず」に白丸傍点]、利害に明かにして利害に拘束せられざる[#「利害に明かにして利害に拘束せられざる」に白丸傍点]、乃ち是れ彼れの彼れたる所以なり[#「乃ち是れ彼れの彼れたる所以なり」に白丸傍点]。
試に見よ、鑛毒問題は古河市兵衞氏と地方一部の農民との間に起れる一小事件のみ※[#白ゴマ、1−3−29]决して之れを天下の大問題と謂ふ可からず※[#白ゴマ、1−3−29]而も田中氏が一たび此問題を持把して下院に現はるゝや[#「而も田中氏が一たび此問題を持把して下院に現はるゝや」に傍点]、其聲頗る大にして[#「其聲頗る大にして」に傍点]、終に下院を動かし[#「終に下院を動かし」に傍点]、政府を動かし復た之れを一小事件と認むる能はざるに至らしめたり[#「政府を動かし復た之れを一小事件と認むる能はざるに至らしめたり」に傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]彼は此問題に於て老獪縱横なる後藤伯と爭へり[#「彼は此問題に於て老獪縱横なる後藤伯と爭へり」に傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]才辯多智なる陸奧伯と爭へり[#「才辯多智なる陸奧伯と爭へり」に傍点]、而して一方に於ては[#「而して一方に於ては」に傍点]、大膽にして術數ある古河氏を相手として[#「大膽にして術數ある古河氏を相手として」に傍点]、不撓不屈の戰鬪を繼續したり[#「不撓不屈の戰鬪を繼續したり」に傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]種々の誘惑種々の恐嚇種々の壓力は[#「種々の誘惑種々の恐嚇種々の壓力は」に傍点]、絶えず彼れ及び彼の代表せる地方民を掩襲したるに拘らず[#「絶えず彼れ及び彼の代表せる地方民を掩襲したるに拘らず」に傍点]、彼は一切之れを排除して[#「彼は一切之れを排除して」に傍点]、曾て窘窮したる迹を示さず[#「曾て窘窮したる迹を示さず」に傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]是れ其戰略巧妙にして進退掛引善く機宜に適するものあるが爲なり[#「是れ其戰略巧妙にして進退掛引善く機宜に適するものあるが爲なり」に傍点]。前きに松隈内閣の成るや、世間皆以爲らく、鑛毒問題或は大に其氣※[#「陷のつくり+炎」、第3水準1−87−64]を收めむと※[#白ゴマ、1−3−29]何となれば當時進歩黨は内閣
前へ
次へ
全249ページ中244ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
鳥谷部 春汀 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング