望む[#「我は言行共に壯快偉大なる政治家たるを望む」に二重丸傍点]、腐儒俗士の事は我れの知る所に非ずと[#「腐儒俗士の事は我れの知る所に非ずと」に二重丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]其の氣を負ひて自ら大とするの概以て見る可し。
彼れが曾て報知新聞に在るや、文を屬して容易に成らず、編輯人之れを督促して急なり、彼れ大聲叱して曰く、我れは未來の立憲大臣たらむと期するもの[#「我れは未來の立憲大臣たらむと期するもの」に二重丸傍点]、何ぞ數々として我れを累はすの太甚しきやと[#「何ぞ數々として我れを累はすの太甚しきやと」に二重丸傍点]、是れ猶ほ昔者ジスレリーが、メルボルン公の、『足下は政論家と爲て何を爲さむとするか』と問へるに答へて、我れは唯だ英國の總理大臣たらむとするのみといへると一對の大言なり※[#白ゴマ、1−3−29]此れより世人彼れを呼て未來の立憲大臣と稱す※[#白ゴマ、1−3−29]故に未來の立憲大臣といへば[#「故に未來の立憲大臣といへば」に白丸傍点]、世間直に尾崎學堂を聯想せざる莫し[#「世間直に尾崎學堂を聯想せざる莫し」に白丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]顧ふに彼は夙にジスレリーの人物に私淑し、曾て『經世偉勳』を著はして、ジスレリーの傳を記す、其立憲大臣の豫告を爲したるもの安ぞ經世偉勳中の一節を換骨脱胎せるものに非らざるなきを知らむや。
彼れが曾て東京府會の議員たるや、例に依りて放言高論動もすれば議場を惱殺せしめんとす※[#白ゴマ、1−3−29]蓋し府會の議事は、瑣々たる地方行政の問題にして、天下經綸の大問題に非ず※[#白ゴマ、1−3−29]然るに彼れは常に立憲大臣の心を以て、堂々たる議論を試みんとするの癖あり※[#白ゴマ、1−3−29]當時の府會議長たる沼間守一深く之れを患へ、務めて彼れの氣※[#「陷のつくり+炎」、第3水準1−87−64]を抑へむとしたるに拘らず、彼れは傲然として飽くまで沼間と頡頏せむとせり※[#白ゴマ、1−3−29]以て其抱負の凡ならざるを諒す可し。
彼れが自負心強く[#「彼れが自負心強く」に白丸傍点]、夸大の空想に耽り[#「夸大の空想に耽り」に白丸傍点]、莊嚴なる英雄の舞臺に神迷するの状は[#「莊嚴なる英雄の舞臺に神迷するの状は」に白丸傍点]、亦明かに彼れの風采にも躍然たり[#「亦明かに彼れの風采にも躍然たり」に白丸傍点]
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