たりといひ、彼れが岐阜の遭難に死せざりしを不幸と爲すに至れり※[#白ゴマ、1−3−29]彼れは方にあらゆる醜詬詆辱の重圍に陷り、滿身悉く傷痍を受けて殆ど完膚なきを見る※[#白ゴマ、1−3−29]然り彼れが盛名の時代に死せざりしは實に彼れの不幸なりき※[#白ゴマ、1−3−29]大不運なりき※[#白ゴマ、1−3−29]さもあらばあれ彼れは他の元勳政治家に比して最も堅固なる根據を有せり[#「さもあらばあれ彼れは他の元勳政治家に比して最も堅固なる根據を有せり」に二重丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]政黨の首領として最も素養ある位地を有せり[#「政黨の首領として最も素養ある位地を有せり」に二重丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]他の元勳政治家は未だ利害を同ふするの政黨を擁するものなく、一旦政黨に頼るの必要を認むるに於て、唯だ現存の政黨を利用するか、若くは新たに之れを製造するの二途あるのみ※[#白ゴマ、1−3−29]然るに板垣伯の自由黨に於けるは[#「然るに板垣伯の自由黨に於けるは」に白ゴマ傍点]、多くの年所を閲みして終始相提携し[#「多くの年所を閲みして終始相提携し」に白ゴマ傍点]、以て離る可からざるの關係を爲せしに由り[#「以て離る可からざるの關係を爲せしに由り」に白ゴマ傍点]、彼れは尚ほ儼として政界の一勢力たるを失はざるなり[#「彼れは尚ほ儼として政界の一勢力たるを失はざるなり」に白ゴマ傍点]。
彼れは能く始めより政黨の眞意義と眞作用とを融會したりしや否や[#「彼れは能く始めより政黨の眞意義と眞作用とを融會したりしや否や」に白丸傍点]、將た政黨内閣を組織するの自信を有して自由黨と飽くまで進退を倶せんとするや否や[#「將た政黨内閣を組織するの自信を有して自由黨と飽くまで進退を倶せんとするや否や」に白丸傍点]、共に吾儕の知る所に非ずと雖も[#「共に吾儕の知る所に非ずと雖も」に白丸傍点]、とにかく日本政黨中に在て[#「とにかく日本政黨中に在て」に白丸傍点]、彼れは最も舊き歴史ある自由黨の首領として[#「彼れは最も舊き歴史ある自由黨の首領として」に白丸傍点]、比較的成功を得たるの事實は甚だ多とするに足れり[#「比較的成功を得たるの事實は甚だ多とするに足れり」に白丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]余は彼れが心術の正邪醇駁分明ならざるを以て[#「余は彼れが心術の正邪醇駁分明なら
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