#「且つ之れを確立するに於て周到なる意匠と愼重なる考慮を凝らし」に白丸傍点]、以て遂に千古不磨の大典を立案するを得たり[#「以て遂に千古不磨の大典を立案するを得たり」に白丸傍点]。
* * * * * * *
斯くて憲法を發布せられたりと雖も、之れを實施するに方りては[#「之れを實施するに方りては」に白三角傍点]、先づ行政各部の機關をして立憲的動作を爲さしむるに適當なる諸般の改革を行はざるべからず[#「先づ行政各部の機關をして立憲的動作を爲さしむるに適當なる諸般の改革を行はざるべからず」に白三角傍点]、否らざれば未だ立憲政治の創設を完成したりと謂ふを得ざればなり[#「否らざれば未だ立憲政治の創設を完成したりと謂ふを得ざればなり」に白三角傍点]。而して此の改革は政府の組織を根本より變更するものなるが故に、其の影響の及ぶ所は極めて廣汎にして、直接に之れが打撃を受くるものは政府部内の藩閥者流なり。例へば會計法の如き、文官任用令の如きは、事實上藩閥の勢力を削小するの結果を生ずるを以て、最も藩閥者流の感情を刺戟したりしは自然の勢なるべし。然れども 皇上は憲法調査の全權と共に、憲法實施に關する凖備をも擧げて之れを公の自由手腕に委任せられたりき。是れ改革の容易に行はれたる所以なり。且つ憲法實施の準備整頓するや、公は自ら新官制に基きたる内閣の總理大臣と爲りて、各行政機關の運用を試みたりき。是れ將に來らむとする議會に對せむが爲に[#「是れ將に來らむとする議會に對せむが爲に」に白三角傍点]、政府の立憲的動作を訓練するに外ならざりき[#「政府の立憲的動作を訓練するに外ならざりき」に白三角傍点]。斯くの如く公は一身を立憲政治の創設に捧げて其の能事を盡くしたれば、憲法の効果を收むるに就いても[#「憲法の効果を收むるに就いても」に白丸傍点]、亦無限の責任あるを感ずるは當然なり[#「亦無限の責任あるを感ずるは當然なり」に白丸傍点]。
初め歐洲に於ては、日本の果して憲法政治に成功するや否やを疑ふの學者少なからざりしが、顧みて憲法實施後の經過を見れば、政府と議會との行動に於て大に非難すべき點なきに非ずと雖も、全體の成績よりいへば、何人も憲法の効果に對して疑惑を挾むものあるべからず。但だ公は憲法と一身同體の關係あるを自信して、憲法實施以來、其の朝に在ると野に在るとを問はず、絶
前へ
次へ
全249ページ中58ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
鳥谷部 春汀 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング