ひます。但し時計の針が、明日の目盛へ進むやうなことにならぬとも限らず、目覺時計をかけてから取懸つていただきませうか。

(1)

   □□E7
 −  NNN
―――――――
    EEE

[#第一段「□□E7」は底本では「□E7」]

(2)

       □□□□
   ________
142)123□□□□
    □□□□
   ――――――――
      □□□
      □□□
     ――――――
      100□
       □□□
      ―――――
        □□□
        □□□
       ――――
          0

(3)

      NGDI
   _______
TSD)WNITPA
    TSD
   ―――――――
     THTP
     TWNN
    ――――――
      PPNA
      NADI
     ―――――
       TPT

(4)

       □□□
   _______
□□□)□□□□84
     □□□
   ―――――――
      □□□
      6□□
    ――――――
       □3□
       □□□
     ―――――
         0


        “虫喰ひ算”大會 第十八會場

 お見受けしたところ、おん瞼がだいぶん腫れぽつたい[#「腫れぽつたい」はママ]ですね。いや、どうも口が滑りました。
 わが國に於いて“數學パヅル”研究の最も熱心なる仁は、大阪に居住される藤村幸三郎氏です。このパヅルの神樣は、古くからこのことに掛り、そしてそれに關する著書も斷然多く、私の記臆するところだけでも三四册あり、その上にこの數學パヅルを應用したゲームの考案もいろいろとあつて市販されてゐます。殊に「立體將棋」は傑作中の傑作で、木村名人を大いに呻らせたと申します。

(1)

9)□□□□□□
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
6) 3925□ 殘り4
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    □□□□ 殘り3

[#第二段「殘り4」と第三段「殘り3」は底本ではこの位置になく、第三段の下に「残り43」]

(2)

 □□□   2
――――― = ―
 □□□□   4

註:――
1から9までの九種の數字をはめこむこと(2と4とは既に使つてありますね)

(3)

       IQR
   _______
ACR)IDGDRR
     ACR
   ―――――――
     CQQR
     SEQQ
     ―――――
      UDSR
      QQIR
      ――――
       RID

[#第一段「IQR」は底本では「IOR」]
[#第四段「CQQR」は底本では「CSSR」]
[#第五段「SEQQ」は底本では「SEOO」]
[#第七段「QQIR」は底本では「OOIR」]

(4)

         □□7□
    _________
□□□□)□□9□□□□□
     □□□□9
    ―――――――――
      9□□□□
      □□9□□
      ―――――――
       □□□□9
       □□□□9
       ――――――
        □9□□□
        □□□□□
        ―――――
            0

[#第二段の除數「□□□□」は底本では「□□□」]


        “虫喰ひ算”大會 第十九會場

 數學パヅルは、なぜイギリスだけに盛んなのであるか、面白いことであります。私が序文のところに掲げた五册の文献洋書は悉くイギリスの刊行にかかります。
 アメリカでは、あまりこんな辛氣くさいものを見かけません。尤もアメリカにも全然ないといふわけではなく、少しはあることはあるのですが、イギリスのやうにアカデミックな風格は備へてゐません。アメリカではそれより手品や實驗の方が、少年達に人氣があるやうです。
 ああ、さうさう。こちらは第十九會場!

(1)

8)□□□□□
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
7) □□□□ 殘り7
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    772 殘り4

(2)

 2  1
1―×4―=□
 □  5

(3)

      AFBEC
   ________
ABC)ATTTAAT
    ABC
   ――――――――
     GFT
     GCH
     ――――――
      CAA
      BDF
      ―――――
       FEA
       FAE
       ――――
        CFT
        CFT
        ―――
          0

(4)

       □□□□
   ________
□2□)□□2□9□□
    □□□□
   ――――――――
      □□□
      □□□
      ―――――
      □□□□
      □□□0
      ―――――
        □7□
        □□□
        ―――
          0


        “虫喰ひ算”大會 第二十會場

 古い日本の書物で、數學パヅルの載つてゐたものがあり、また昔、横濱の南京町で手に入れた中華民國の數學パヅルの本があり、共に大切にしてゐたのですが、先頃のさわぎでどこへ行つてしまつたか[#「行つてしまつたか」は底本では「行つたしまつたか」]分らずになりました[#「分らずになりました」は底本では「分らずなりました」]。甚だ遺憾であります。
 おお、ここは第二十會場であります。この會場をパスされれば、全道程の三分の二を通過され、ゴルファなら、これからいよいよシングルへ進むわけです。おつと、おつと、胸をお張りになるのは、本會場の四問題をお解きになつてからの方が、ようございます。

(1)

      □A□
   ______
□A□)□□□□□
    □□□
   ――――――
    □□BB
    □□BA
    ―――――
     □A□□
     □□□□
     ――――
        0

(2)

       □□□□□
   _________
□□□)□□□□□□□□
     □□□
   ―――――――――
       □□□
       4□□
       ―――――
        □□□
        3□□
        ――――
        □□□□
        □4□□
        ――――
           0

(3)

            NINIO
      ___________
MARTIN)HARRINGTON
       HMGIAN
      ―――――――――――
         HAOIGT
         HMGIAN
         ――――――――
          MMITLON
           LOGATI
          ―――――――
           MMGGTN

[#「O」は覆面の英字です。]

(4)

      ADHA
   _______
ACC)ATEHBC
    ACC
   ―――――――
     GBH
     ECB
     ―――――
      TEB
      TCA
      ――――
       BAC
       ACC
       ―――
        SW


        “虫喰ひ算”大會 第二十一會場

 もう既に見えなければならぬ筈なんですが、一向見えませんが、どうしたものでありませうか。いいえその、名譽ある第二十階選士たちの姿が、いまだにどうもね。颱風で橋梁が流れたためでせうか、それとももしや途中原子爆彈に……。
 序文のところで御紹介しましたバーナード先生は、アボッツホルム學校の助教諭であつたマスター オブ サイエンスです。
 おお、漸く見えました。あなたがたは一體どうされたんですか。心配してをりましたよ。なに、ここはどこか? おや、そんなにふうふうですか。ここは第二十一會場ですけれど……。

(1)

    □□7□□
 ×    □7□
―――――――――
    □0□7□
   □□0□□
  7□□0□
―――――――――
  □□□□□□□

[#第四段「□□0□□」は底本では「□□7□□」]

(2)

   AM6
 ×  MN
――――――
   5FN
  2DM
――――――
  3F2N

(3)

       □□□
   _______
523)□□□667
    □□□□
   ―――――――
     □□□6
     □□□□
     ―――――
      □□□7
      □□□□
      ――――
       193

(4)

       DCAM
   ________
AEQ)MBDNUQN
    MDUE
   ――――――――
      BQU
      AEQ
      ―――――
      QBDQ
      QDCY
      ―――――
       CNQN
       CNQN
       ――――
          0


        “虫喰ひ算”大會 第二十二會場

 こちらが、確かに第二十二會場であります。むつかしくなりましたつて。それはさうでせう。第二十階以上になりますと、うんと頑張つていただかねばなりません。呑氣に構へてゐますと、途中で化石になつてしまひますよ。といつて、あんまりむきになると、目が三角になつてしまつて、後で癒すのに骨が折れますよ。
 しかしむつかしい問題にぶつかればぶつかるほど、虫喰ひ算のはかりしれない魅力が感ぜられます。さうではございませんか、第二十一階選士がた。

(1)

     BAAB
 ×    ABC
―――――――――
    B□□□A
   □□□□C
  □□□□□
―――――――――
  □□□□□□□

(2)

  2□□□
96―――― = 100
   □□□

註:――
1から9までの九種の數字をはめこむこと(9と6と2は既に使ひずみ)

(3)

     □7□
  ______
□7)□□□7□
    □□
  ――――――
    7□7
    □□□
    ――――
     5□□
     5□□
     ―――
       0

[#第二段の除數「□7」は底本では「7」]

(4)

      RHUCU
   ________
HSH)HMHECUT
    HSH
   ――――――――
     MSE
     USU
     ――――――
      CCC
      ISI
      ―――――
      RCRU
      RIRI
      ―――――
        CAT
        ISI
        ―――
        RMC


        “虫喰ひ算”大會 第二十三會場

 例のデュウデニー先生ですが、この先生の有名な四つの著書の名を、ここにあげて置きませう。
 第一は“カンタベリー パヅルと、その他の珍らしい問題”。次は“算術遊び”。この本は非常に有名で、日本の雜誌などに使はれた數學パヅルの種本であります。原名は Amusements in Mathematics です(もしもし、これは覆面算の問題ではありません。鉛筆をおなめになるに及びません)。第三は、 The World's Best Word Puzzles。それから第四は本書の序文に出してある“最新のパヅルとその解き方”です。
 ここは第二十三會場の入口でご
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