段目のやうに 175 云々とはならず、174 云々[#「174 云々」は底本では「173 云々」]となつて勘定が足りない。そこで被乘數の一位の□は、5であらねばならぬと決定する。
 □を5として計算してみると、正しく下の如く、ちやんと勘定が合ふのである。

  975
×  18
―――――
 7800
 975
―――――
17550

 次は、割り算である。割り算は虫喰ひ算としての面白さを十分に備へてゐる。すぐれた虫喰ひ算は、たいてい割り算の形をとつてゐる。次にあげたのは、やさしい割り算の虫喰ひ算である。

【例題五】[#「【例題五】」は定本では「【例題六】」]この問題では、二桁の除數が穴になつてゐるし、答も十位が穴だし、計算の中にも六箇所の穴があいてゐる。

    □3
  ____
□□)949
   □□
  ――――
   □□9
   □□9
  ――――
     0

 なほよく見るのに、肝腎の除數が全然不明であり、またその答も半分しか判明してをらず、これではどうにも手のつけやうがない――やうに思はれる。
 が、しばらく氣を落着けて、じつとこの運算書を眺めてゐると、
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