3)949
□3
――――
□19
□19
――――
0
これでみるとほり、答の十位が1と決まれば、第三段目の右端は當然3である。するとこの下は、4から3を引くのだから1であり、その1の下も、第六段目が0だから、同じく1であらねばならぬわけである。
第五段目に於いて、十位に1が出る計算で、3の倍數である謎の數字(すなはち除數の十位の數)は何か。順番はこの問題にうつる。これはすぐ分る。それは7である。37の21[#「21」は縦中横]であるからだ。よつて除數の十位の數は、7だと分る。これで重要なところはすべて解けたわけである。念のために、 73×13 で、果してこの計算がうまく合ふかどうかやつてみる。すると下に示すやうに十分滿足することが分る。推理力萬歳! である。
13
____
73)949
73
――――
219
219
――――
0
やさしい問題の解き方はこのぐらゐにして、次はもつとむつかしいものの解き方を二つ三つごらんに入れることにする。
三 高級な虫喰ひ算とその解き方
高級だといつても、解き方の根本に別にかはつたことがあるわけではない。ただむつかしい點は――從つて大いに興味のある點は――どこに手懸りが隱されてゐるか、どこから解き始めたら一番うまく行くかといふところにある。すぐれた寶玉のやうな問題は、このように鍵の隱し場所が極めて意外なところにあり、そしてそれにぶつかつて解くと、あとは全部ががらがらがらと崩れるやうに解けて行くやうなのを指していふのだ。
それを解きにかかる皆さんは、名探偵の明智小五郎か、シャーロック ホームズか、それともファイロバンズかエラリー クヰーンか、とにかくせいぜい智能をふるはれたい。
そこで例題の解説にうつる。
【例題六】[#「【例題六】」は底本では「【例題七】」]これは「覆面算」である。いろいろなアルファベットが並んでゐるが、これはもちろん二十六種の文字が並べてあるわけではなく、皆で十種しかない。つまりCMLQTPAINSの十種である。この十種の覆面者のどれが1234567890のどれであるかを、これから推理でもつて探偵しようといふわけである。
QCN
______
CML)QTPAI
Q
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