\―――
     □□□7
     □□□□
     ―――――
      □□□0
       □□□
      ――――
       482

(4)★

      TCCCAZX
   __________
MSR)MSRTRABRC
    MSR
   ――――――――――
       TRAB
       TZLC
       ――――――
        STBR
        TBZR
        ―――――
         SMCC
         SSBZ
         ――――
            L


  “虫喰い算”大会 第二十五会場


 こちらへ、こちらへ。いよいよ第二十五会場です。これをパスすれば、あと僅《わず》か五会場をあますのみ。ほい、そんな下らんことは申すのじゃなかった。
 選士がたは、今こそひたむきに、虫喰い算と取組んでおいででしょう。今となっては、虫喰い算に対する礼讃のことばを、私が改まって宣伝する必要もなきまでに、選士のかたがたは、それぞれ夢中で鉛筆の先を嘗めたり、鉛筆のお尻で頭をごしごし掻いたりなされていることでありましょう。
 ここをパスなされば、すなわち第二十五階選士です。第二十五階ですぞ。

(1)★

   ABC
 − CBA
――――――
   3BA

(2)[#「(2)」は底本では「(2)★」]

 □□    □□   1
―――― = ――― = ――
 □□□   □□   3

註:――
1から9までの九種の数字を□の中へはめること

(3)★

        QAR
    _______
QTAN)QPTZDN
     QTAN
    ―――――――
      DQDD
      TNPR
      ―――――
       XDPN
       XDPN
       ――――
          0

[#第二段の「QPTZDN」は底本では「OPTZDN」]

(4)★

         □5□
    ________
□□□□)□55□□5□
     □□5□□
    ――――――――
      □□□□□
      □□□□□
      ――――――
        □□□□
        □□□□
        ――――
           0


  “虫喰い算”大会 第二十六会場


 第二十六会場はここであります。
 いよいようるさい問題が登場いたします。相当お覚悟あって然るべしであります。
 序文に揚げましたる文献に名の出ているアッカーマン氏は、ロンドン大学出の工学士であります。その文献に出ているたくさんの謎々の問題は、イギリスの2LO放送局から放送されたものを集めてあり、虫喰い算と覆面算はたった四題にすぎませんが、他の百ばかりの問題は、数学と科学と工学の各部門に亘り、なかなか面白いものばかりで、氏の解説も頗《すこぶ》る平易です。こういうものが放送される彼の国の放送局と国民を、私は羨《うらや》ましく思います。[#「羨ましく思います。」は底本では「羨まし」]

(1)★

     □7
  _____
7□)□775
   2□□
   ――――
    □□5
    □□5
    ―――
      0

(2)★

  1   1
4――×□―― = 9
  □   7

(3)

       □□□
   _______
□□□)□80□□□
     □□□
   ―――――――
     □□□□
     8□□□
     ―――――
       □□□
       □□□
       ―――
         0

(4)★

         CWPSQNGM
 ×       MGNQSPWC
―――――――――――――――――
        BWBBBBBBC
       PBNSBDGQW
      SBSCGSCGP
     QBBGWMPDS
    NCDPMWGBQ
   GCGCPGCPN
  MCSNDBPQG
  CWPSQNGM
―――――――――――――――――
 MGDSPDBCDDDGBCSC


  “虫喰い算”大会 第二十七会場


 虫喰い算の解き方には、いろいろあると、初めに申しておきました。皆さんのような高級選士は、そのあらゆる解き方を探求してごらんになるのが興味深いことでしょう。
 これまでにお話して参ったようなシャーロック・ホームズ探偵的な解き方ではなく、その運算書から多元の聯立方程式を得、それからばりばりと解いていく方法もございます。つまり代数的解き方です。
 この方が、むしろ正確さと速度に於いて、ホームズ探偵のやり方よりもすぐれていますが、素人的な興味は、やはり名探偵のやり方の方が深いように思います。
 こちらは第二十七会場でございます。

(1)★

   AB
 × BA
―――――
  □□1
 □1□
―――――
 □□□□

(2)★

  □□□□
94―――― = 100
   □□□

註:――
1から9までの九種の数字をはめこむこと(9と4は既に使いずみ)

(3)★

       B□A
   _______
A□B)□□□C□□
    □□□B
   ―――――――
     □□BC
     □□□□
     ―――――
      □□□A
      □□C□
      ――――
         0

(4)★

       A7□0A
   _________
□□□)1□□□□□□□
    1□□□
   ―――――――――
      □□□
      □□□
      ――――――
      100□
       9□□
      ――――――
        □□□□
        □□□□
        ――――
           0


  “虫喰い算”大会 第二十八会場


 だんだん会場の数が残り少くなって、あますところ僅かに三つ。せいぜい頑張っていただきます。第二十七階の選士がた。
 すっかり問題を片づけてしまうと、後はさびしくなってやり切れまい。その後は一体どこに虫喰い算に似た智能的法悦を求めようかと歎かれる選士も――多分少からずあることと思います。敢えてさように察します。
 そういう方は、初めからやり直してください。すると、意外にも蒸しかえし的な味は発見されず、やはり新鮮な虫喰い算問題として貴下を愕《おどろ》かすことでしょう。

(1)★

   AYM8P
 ×   ARZ
――――――――
   EGM6A
  YPMRK
 AYMKP
――――――――
 TRTMARA

(2)★

     B09
  ______
AB)□0□□3
   3□□
   ―――――
     A□3
     A□3
     ―――
       0

(3)★

     RSR
  ______
PR)MTVVR
   MVR
   ―――――
    KKV
    KMD
    ――――
     MVR
     MVR
     ―――
       0

(4)★

                  循環小数
                ┌───┴───┐
                ・       ・
            □□.□□□□□□□□□□
      ___________________
□□□□□□)□□□□□□□
       □□□□□□
      ―――――――――
       □□□□□□□
        □□□□□□
       ―――――――――
        □□□□□□ □
        □□□□□□ □
        ―――――――――
         □□□□□ □□
          □□□□ □□
         ―――――――――
          □□□□ □□□
          □□□□ □□□
          ―――――――――
           □□□ □□□□
           □□□ □□□□
           ―――――――――
            □□ □□□□□
            □□ □□□□□
            ―――――――――
             □ □□□□□□
             □ □□□□□□
            ―――――――――――――
                   □□□□□□
                   □□□□□□
                  ―――――――
                   □□□□□□


  “虫喰い算”大会 第二十九会場


 ひどい目に遭ったとおっしゃるのですか、前会場で……。それはどうも。何と御挨拶をしたらよろしいやら。
 虫喰い算を今まで甘く見過ぎていたといわれるのですか。へえっ、そんなに懲《こ》りましたかね、あの問題に……。
 お前はあれをやったことがあるのかとお問いになるのですか。さあ、そのことですよ。実は前から手をつけていますが、いまだに解決がつきませんのです。とうとう曝露しましたね、私がまだ第二十七階選士であって、虫喰い算名人でないということを。
 さあさあ、こちらは第二十九会場です。

(1)★

     3□
  _____
□□)2□□9
   23□
   ――――
    5□9
    5□9
    ―――
      0

(2)[#「(2)」は底本では「(2)★」]

  6   1
□――×5―― = □□
  7   □

(3)★

    XLQAB
 ×   AKLB
―――――――――
    FHALB
   LHFBK
 XCBCDK
 BBQKC
―――――――――
 FFLBQCXB

(4)★

            □□7□□
      ___________
□□□□7□)□□7□□□□□□□
       □□□□□□
      ―――――――――――
       □□□□□7□
       □□□□□□□
       ――――――――――
         □7□□□□
         □7□□□□
         ――――――――
         □□□□□□□
         □□□□7□□
         ――――――――
           □□□□□□
           □□□□□□
           ――――――
                0


  “虫喰い算”大会 第三十会場


 いよいよラスト・ホールです。うんと推理の力をふりしぼっていただきましょう。ここさえパスすれば、貴下は虫喰い算の最高級選士となられるのです。
 名残りが惜しい。そうですか。もう一度この本を初めから繰返しては……。いやもっと新しい問題、新しい智能的困難にぶつかりたいとおっしゃるのですか。
 残念ながら私の手許にあるものは、これまでに全部さし出しまして、後にはもう何も残っていません。
 ああ、そうでした。これと似た刺戟をお望みの方は、あの有名なるアメリカの暗号解読者ヤードリ少佐著の『ザ・ブラック・チェンバー』を繙《ひもと》かれんことをお薦めします。
 さあ、最終のティーへお立ち下さい。

(1)★

   2N1
   4N6
 + 162
――――――
   829

(2)

    □   □
□(□□―+□□―)=100
    □   □

註:――
=の左側は1から9までの九種の数字をはめこむこと

(3)★

    3Y□□
  _____
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