十年後のラジオ界
海野十三
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)必需的《ひつじゅてき》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)十年|経《た》ったら
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)ラジオ[#「ラジオ」に傍点]界はどうなる?
−−
「ときにAさん。」
「なんだいBさん。」
「十年|経《た》ったら、ラジオ[#「ラジオ」に傍点]界はどうなる?」
「しれたことサ。ラジオ[#「ラジオ」に傍点]界なんてえものは、無くなるにきまってる。」
「へえ、なくなるかい。――今は随分|流行《はや》ってるようだがネ。無くなるとは、ヤレ可哀相に……。」
「お前は気が早い。くやみを言うにゃ、当らないよ。僕はラジオ界[#「ラジオ界」に傍点]がなくなると言ったが、『ラジオ[#「ラジオ」に傍点]』までが無くなるとは、言いやしない。」
「ややっこしいネ、Aさん。そんなことが有り得るものかい。」
「勿論サ、Bさん。人間の生活に於ける水や火のように、これからの世の中は、ラジオがすべての方面の生活手段に、必需的《ひつじゅてき》なものとなってゆくのだ。『ラジ
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