と、みんな揃って『フォン=トリャープキン将軍』の屋敷へ出掛けたとのことだった。今度はこの人が、乗馬の使者を迎えによこしたのだ!……一瞬リャボーヴィチの胸に、ぱっと歓喜が燃えあがったが、彼はすぐさまそれを揉み消して寝床へもぐり込み、わが身の運命に対する面当てに、まるでわざわざ運命を残念がらせてやろうとでもするように、将軍のところへは行かなかった。



底本:「チェーホフ全集 7」中央公論社
   1960(昭和35)年6月15日初版発行
   1976(昭和51)年9月16日改版第1刷発行
入力:阿部哲也
校正:米田
2010年5月18日作成
2010年6月5日修正
青空文庫作成ファイル:
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