をほぐしていると、いきなり小石が一つその窓から飛びこんで来たのです。石はすっかり紙でくるんでありました。

      ※[#ローマ数字16、195−1]

 わたしはそこいらを見※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]し、窓の外まで覗いて見ましたが、誰もいません。
「これはきっと、誰かが垣根の外からわざと投げこんだのが、狙いがそれて、この小屋へ飛びこんだのだろう」とは思いましたが、なおも胸の中で、「あの紙をひろげて見たものか、どうかしら? どうやら拡げて見た方がよさそうだ。きっと何か書いてあるにちがいないもの。ひょっとするとあれは、誰かにとって大事なことかも知れない。読めばそのくらいの察しはつくし、何か秘密のことだったらそのまま胸の中にたたんで、書附はまた石をくるんで同じように名宛て先の人のところへ抛りこんでやればいい。」
 ひろげて読みだした途端に、わたしは吾とわが眼が信じられませんでした。……

      ※[#ローマ数字17、195−10]

 こう書いてあるのです、――
『二世を誓ったわがリューバよ! ぼくは方々転戦して陛下に御奉公し、一再ならずわが血を流した。おかげで将
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