せると共に、それぞれの水準を世界的に高める活溌な働きを奨励援助し、民族永遠の発展と飛躍とを約束しなければなりません。
 この理想は、決して、某々外国の形式的模倣ではなく、わが日本の独自な意志と祈願でありまして、組織そのものゝ性質も、運用の機微も、かゝつてわが民族性の理解の上にたゝなければなりません。
 従つて、各部門の再編成に当つても、徒らに単一組織をでつちあげることをせず、既存の団体の特色ある機能を活かし、必要に応じてこれを純化することはあつても、個々の創造的使命はこれを十分に尊重する方針であります。たゞ従来、同じ専門部門に属しながら、不必要な孤立を守り、有無相通じる道を講じてゐなかつたやうな不合理極まる状態を脱却せしめることが肝要だと思ひます。それと同時に、各専門部門の有機的なつながりがないため、各部門それ自身として一種の栄養不良に陥り、国民文化全体として健全な発達をさまたげられてゐた事実歴然たるものがありますので、これを是非なんとかしなければなりません。
 文化部は逐次、各職域部門の横の連繋と、更に必要に応じ、それぞれの緊密な共同作業とを促進する計画であります。
 かういふ風に再
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