にしろ、金まうけにしろ、異性との交渉にしろ、肉親の関係にしろ、なにひとつ「愛癖」を伴はないものがあるか。「愛癖」のあるところ、必ずエクスタシイがある。文学も、それでいゝのだ……。
――田巻安里万歳! と、彼は怒鳴つた。
当人の田巻安里は、その時、もう、彼の書斎にうづくまつて、しきりに万年筆を走らせてゐた。彼は、友人一同に悲痛な絶交状を認めてゐたのである。
底本:「岸田國士全集21」岩波書店
1990(平成2)年7月9日発行
底本の親本:「東京朝日新聞」
1930(昭和5)年7月15、16、17日
初出:「東京朝日新聞」
1930(昭和5)年7月15、16、17日
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2007年11月20日作成
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