のところ、前掲の如き図表によることが最も適当であると思ふ。
要するに、この種の運動は急速にその成果を望むことは誤りであつて、目立たない、誤算のない、そして宙に浮かないやり方で徐々にそれぞれの地方に、一つの新しい文化的雰囲気をつくり出すことが大切なのであつて、この雰囲気はやがてそれぞれの専門領域に於る水準を高めることにもなり、また生活自体の向上をも促し、更に国力の充実といふ最後の目的にも適ふのであつて、われわれは、将来地方に於てある種の文化活動を目指す人たちが、必ずしも、中央の大都市に出て初めてその志を全うするといふやうな、従来の中央集権的な弊風にとらはれず、それぞれ郷土に於て十分その才能と力量とを発揮し得るやうな時代を予想するものである。(昭和十六年七月)
底本:「岸田國士全集25」岩波書店
1991(平成3)年8月8日発行
底本の親本:「生活と文化」青山出版社
1941(昭和16)年12月20日
初出:「知性 第四巻第七号」
1941(昭和16)年7月1日
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2010年3月1日作成
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