から姿を消す。一寿は、その方は見ずに、上着を脱いで、戸棚からパンのカケラを取出し、チーズを片手につまんで、あちこちと歩きながら、代る代るそれを口に運ぶ。ラヂオの音楽が、この情景の底を皮肉に彩つて――
[#ここで字下げ終わり]

[#地から5字上げ]――幕――



底本:「岸田國士全集6」岩波書店
   1991(平成3)年5月10日発行
底本の親本:「現代戯曲 第二巻」河出書房
   1940(昭和15)年9月17日発行
初出:「中央公論 第五十年第一号」
   1935(昭和10)年1月1日発行
※底本の二重山括弧は、ルビ記号と重複するため、学術記号の「≪」(非常に小さい、2−67)と「≫」(非常に大きい、2−68)に代えて入力しました。
入力:kompass
校正:門田裕志
2007年1月9日作成
青空文庫作成ファイル:
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