から、あたしも一人になるのが淋しかつた。もう、今日限り会ふこともないでせう……。(起ち上り)お父さん……。あたし、また近いうちに出直して来るわ。

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悦子は、さう云ひながら、部屋を出て行く。
一寿と愛子とは、それを見送る。
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一寿  姉さんはどうしたんだ? なにを怒らしたんだ?
愛子  また素敵な仲直りをしたいもんだから、思ひ切り、腹を立てたふりをするのよ。パパは、姉さんの味方をしなきや駄目よ。それから、今日は、あたし一人でつまんないから、これで帰るわ。御馳走する予定で、これ持つて来たから置いてくわよ。(紙幣を卓子の上に投げ出す)
一寿  (慌てて)ええい、また、そんなことをする! わしは、それが嫌ひだつて云つてるぢやないか。持つて帰りなさい、持つて帰りなさい、そんなもの……。少しぐらゐ小遣が自由になるからつて、無駄使ひを覚えなさんな。
愛子  ぢや、これで、靴下でも買はうツと……。(紙幣をハンドバツクにしまひ)ぢや、さよなら……また、来月……。

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愛子は、ゆるゆる戸口
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