、これが、
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二、既成作家及びその後継者一派である。シェイクスピイヤより、イプセン、ストリンドベリイ、さてはチエホフ、ブリュウ、マアテルランクなどを師と仰ぎ、オニイルに感心し、ルノルマンを褒め、ルナアルを新しがり、アンドリェエフを一寸真似る手合である。この一派は、近代派が攻撃するほど、「どうにもならない」連中ばかりではなく、勉強次第では、オニイルやルノルマンぐらゐまでなら漕ぎつけ得る才能を恵まれてゐるものもないではない。それくらゐになつたつて何にもならないと云へばそれまでであるが、私は、世人と共に、やはり、この一派に最も期待をかける。何となれば、近代主義も、畢竟、しつかりした基礎の上に築かれなければならぬと信じるからである。写実主義、新浪漫主義、象徴主義、これらの諸流派は、既成文学として排し去るためには、まだ、わが国に於てはあまりに幼稚である。他の部門は兎に角、演劇に於ては、殊に戯曲に於ては、なほ、これらの畑に、本当の果実を実らさなければならない。
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 もう一つ違つた分類に従へば、これは近頃、問題視されてゐる
[#こ
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