浅間山
岸田國士
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)小舎《カツテージ》の
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
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浅間山の麓
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萱の密生した広漠たる原野の中に、白樺、落葉松などの疎林が点在し、土地を区劃するための道路が、焼石の地肌をみせて縦横に延びてゐる。
緩やかな斜面に沿つて、粗末な小舎《カツテージ》が一棟。斜面の尽きるあたりに、水量の乏しい渓流。温泉鑿掘のための櫓《やぐら》が、その岸に立つてゐる。
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この物語の中に現れる人物
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丹羽州太
同 二葉 その娘
時田思文 郵便局長
同 則子 その娘
小瀬川とね 州太の同棲してゐる女
新井 務 州太の助手
菰原献作 人夫頭
青木利元 二葉の婚約者
郵便配達夫
その他人夫大勢
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一
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五月の末――昼すぎ。
小舎《カツテージ》
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