この方が、なにか……。
青木 始めまして……。僕、青木です。
州太 あゝさうですか。わたし、二葉の父です。
とね それぢや、(二葉に)あんたのお部屋がいゝでせう。ちよつと掃き出して来ますわ……。
[#ここから5字下げ]
とね奥に引つ込む
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
州太 よくおいで下すつた。あちらでは、また、二葉がいろいろ……。
青木 いゝえ……。前以て電報でもと思つたんですが、その暇に来てしまへるやうな気がして……。割合、便利なとこですね。
州太 いや、今年はまだ……。これでも来年は余程活気を呈するでせう。二葉とも話したことですが……。
二葉 それぢや、お父さん、あちらで……。
州太 うん、わしも、後から行く。
二葉 (青木に)どうぞ……。
[#ここから5字下げ]
彼女は、首をうなだれたまゝ、先に立つて、青木を奥へ案内する。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
新井 なんだ、さうだつたのか。
則子 あたし、一と目みて、さうだらうと思つたわ。
州太 (満足げに)やあ、わしも気
前へ
次へ
全75ページ中46ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
岸田 国士 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング