まづ「始めた」といふことに聊かの満足がありとすれば、それを完成するのは自分達だけの力ではない、非常に多くの協力者を必要とするといふ、謙虚な気持によつて、文化運動を進めることが必要だと思ひます。これからの文化運動の性格は、実に多くの分野との協力によつて、綜合的に進めるといふことによつて、はじめて完成せられるものと考へるのであります。
 以上「具体的に」と思ひながらかなり抽象的な話になつてしまひました。しかしこの目標についてはほぼ今日お集りの皆様方には、無論具体的な形でお把み願つたことと存じます。私として申上げることはこれだけであります。



底本:「岸田國士全集25」岩波書店
   1991(平成3)年8月8日発行
底本の親本:「知性 第五巻第三号」
   1942(昭和17)年3月1日
初出:「第一回九州地方文化協議会会議録」大政翼賛会組織局文化部
   1942(昭和17)年1月
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2010年3月1日作成
青空文庫作成ファイル:
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