国人ながら、深く感じとつたからだと思ひます。言葉はむろん一時の洒落にすぎませんが、言ひたいことはよくわかるやうな気がします。
 私は常に、多くの日本家庭に接してみて、最も痛切に思ふことは、主人の言葉に対して、細君が「はい」といふ返事をする、その打てば響くやうな「はい」の、少しも濁りのない声ぐらゐ、主人の心に、また客の胸に、細君の女としての凜々しさを伝へるものはないといふことです。これだけのことで、既にその家風が察せられ、この主婦の「嗜み」が、一家の清らかな秩序を想はせます。まことに、これは、日本の「家」の深々とした重みであります。

[#7字下げ]一八[#「一八」は中見出し]

 さて、これで、青年の「嗜み」とはどういふことか、この「嗜み」によつてはじめて、日本青年としての矜りが保てるといふことまではわかつたと思ひます。
 そこで、もつと具体的に、これらの「嗜み」を身につける方法を知りたいといふ要求が湧いたとしたら、私は、この要求に対して、かう応へたいのであります。
 それは、先づ何よりも、日本青年としての「大きな夢」をもて、といふことです。
 この「夢」さへあれば、日常生活はおのづか
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