」といふことは、これは相手に示すといふよりも、女性が自らの「矜り」として身につけるべき一種の威儀に外ならぬと思ひます。「しとやかさ」も、昔と今とでは可なりその性質が変つて来なければならないのですが、要するに、こゝにも、女性的に表現された「武」の精神がはつきりと感じられなければなりません。たゞ、「なよなよ」としてゐることではなく、油断をみせぬ厳然とした態度が、おのづから、落ちつきと、巧まない作法となつて女の品位を高めることになるのであります。
「貞節」といふことも、女の凜々しい一面を発揮したものです。それが日常の言動に如何に現れるかといふことは、また、「女の嗜み」の一つの大きな課題であります。殊に、異性との応対に於て、それが目立つて来るのですが、相手の男が何者であるかをよく弁へた応接は、女の「嗜み」をよく現し、男たちを前にしての一言一動によつて、その女性の「貞節」の程度を知り得ると云つても過言ではありません。
これはなにも、かの封建時代の女大学式婦道をそのまゝ認めることではありません。
徳川時代の社会制度と、仏教乃至儒教の影響を受けた女性観には、多分の非日本的性格と家族制度の末期的
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