全な試煉を受けつゝあります。男子青年の描かざるを得ぬ巨大な夢は、千里の海を越えた戦場に散る潔きつはものの誉であり、女子青年にあつては、やがて「おほみたから」を儲くる日の尊きおのが命《いのち》でありませう。
「兵士」と「母」、この二つの名は、そのまゝ、現代日本に稀な典型を創造した、またとなく厳粛にして清らかな名であります。

[#7字下げ]五[#「五」は中見出し]

 青年は「夢」に生きると云ひますが、それと同時に、青年は、屡々「憂欝」の囚となるものであります。いはゆる明朗闊達な青年と雖も、実はその例に漏れないのです。
 この「憂欝」の原因は、一つには、俗に「春の目覚め」と称する生理的変調にあるのですが、一つには、青年の「夢」そのものと密接な関係があるのであります。

 生理的理由から来る「憂欝」は、医学の立場からすれば、一種の気分転換によりこれを克服すべきだと云ふのであります。即ち、勉強とか運動とかに専心すること、宗教や芸術に没頭することなどが、具体的に示されてゐます。時に、身体を規則的な操作によつて疲労に導くことが最も効果的であると云はれてゐます。
 その方面のことは、一応専門家に委
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