だ役に立ちましたよ。
プルウスト (苦笑する)
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この時、下男がはひつて来る。
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下男 ムッシウ・ジャック・グランジュが、お見えになりました。
プルウスト モルビエ、君は、また話に来てくれ給へ。
モルビエ お大事に…………。なにか、社へお言伝はありませんか。
プルウスト 今、別にない。ジイドに、あんまり勉強するなつて云つてくれ給へ。
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モルビエ、去る。
下男が、ジャック・グランジュを案内して来る。
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グランジュ モン・シェエル・マルセル! 思つたほど窶れてもゐないね。
プルウスト 本が出来ましたね。
グランジュ (手にもつた新刊の自著を相手の手に渡し)これを見せたいのでやつて来たんだ。いろいろ、心配をかけて、どうも…………。
プルウスト (頁を切つてない本を、そのまゝ開いたり閉ぢたりしてみる)
グランジュ 珍しく誤植の多い本でね。君は誤植は嫌ひだらうな。
プルウスト …………
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