的な言葉」必ずしも、話して美しくなく、「六ヶ敷い云ひ廻し」必ずしも教養を物語るものではない。東京弁、必ずしも文化的でなく、方言、必ずしも滑稽ではないのである。
その人が、その場合に[#「その場合に」に傍点]、最もその人らしく[#「その人らしく」に傍点]、率直に、且つ、巧みに「思つてゐること」を云ひ表はし得た言葉が、常に最も魅力ある言葉であること、殆ど疑ふ余地はない。
かういふ言葉の訓練は、現代日本の情勢では至極困難なことであるが、一般に、少なくとも教養ある婦人の間に、それが行はれなければ、「言葉の文化」が何時までも向上する筈はない。
底本:「岸田國士全集22」岩波書店
1990(平成2)年10月8日発行
底本の親本:「婦人公論 第十九年六月号」
1934(昭和9)年6月1日発行
初出:「婦人公論 第十九年六月号」
1934(昭和9)年6月1日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2009年9月5日作成
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