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六遍 自分の絵は、これで、手離すとなると惜しいもんでね。やつぱり、朝晩、眺めてゐたいよ。
わたる 幸ひ、気に入つた絵だけは、みんな売れずにすんだから有難い。
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この時、微々は、傷ついた絵をそつとつまみ上げる。すると、額縁の中に、小さな光つたものを発見する。
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微々 やツ、これは不思議……。
六遍 なんだ。
微々 (大粒のダイヤを拾ひ上げ)これを見ろ。
わたる 彼女が落したつてやつだ。何処にあつた?
微々 こん中だ。(額縁の隅を指す)
六遍 こん中とは云へ、貴公一人のもんではないぞ。
微々 なぜだ?
わたる こゝは、われわれの展覧会場だ。
六遍 千円は、おれたち三人が取るんだ。
微々 見つけたのはおれ一人だ。
わたる そばにゐたのは、おれたちだ。
六遍 騒ぐな、騒ぐな。話はわかつとる。早くしろ、おい、微々!
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○銀座の鋪道。
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三堂微々が、額の包みを小脇にかゝへ、ぶら/\歩いてゐる。ふと、
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