を巴里に持ち帰つた。仏蘭西の劇評家は、あつ[#「あつ」に傍点]と云つて、顔を見合せた。見物は、無邪気に手を叩いた。劇場主は図々しく『ミュッセ全集』をひろげて、『コメヂイとプロヴェルブ』の目次を繰つた。

 日本には、今、世界未曾有の戯曲時代が来た。
 ミュッセ出でよ。アラン夫人出でよ。



底本:「岸田國士全集19」岩波書店
   1989(平成元)年12月8日発行
底本の親本:「我等の劇場」新潮社
   1926(大正15)年4月24日発行
初出:「演劇新潮 第一年第十一号」
   1924(大正13)年11月1日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2009年9月5日作成
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