寸、返事がしにくい。
仮に山本有三氏のうちに近松が、谷崎潤一郎氏のうちに南北が、菊池寛氏のうちに黙阿弥があるとする。それは、多分、これらの諸氏が有つてをられる処の一番佳いものではないだらう。それはそれでいゝから、かういふ人々の口から、或はもつと若い、能島武文氏とか、関口次郎氏とかの口から、おれの最も親炙する劇作家は、例へば鶴屋南北だ――といふやうなことを云ひ出す時代が来ないものだらうか――ポルト・リシュがラシイヌの直系として納まつてゐるやうに。
底本:「岸田國士全集19」岩波書店
1989(平成元)年12月8日発行
底本の親本:「我等の劇場」新潮社
1926(大正15)年4月24日発行
初出:「時事新報」
1924(大正13)年11月26、27日
入力:tatsuki
校正:Juki
2008年11月30日作成
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