外国語教育
岸田國士

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【テキスト中に現れる記号について】

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)諸外国[#「諸外国」に傍点]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)そも/\
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 今日、わが国における外国語の問題を考へるとすれば、およそ次の三点、即ち、この歴史的転換期に直面して外国語教育はいつたいどう取扱はるべきかといふこと、次には国際的な関係が一層複雑微妙になつて来たかういふ時代に、外国語の活用ないし利用がどんな状態にあるか、つまり日本人としていまどの程度に外国語を実際に生かして使つてゐるかといふこと、もう一つは、日本語の海外進出に絡んで、やはり日本語を一応ほかの国から観た外国語として考へてみるといふこと、これらの点が主として問題になると思ふ。
          ○
 最近、従来の外国語教育がいろいろの角度から批判されるやうになつて、例へば、外国語教育が偏重されてゐたといふ見方から、授業時間の削減などが行はれるやうになつた。これに対し
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