に従事しなければならぬ筈である。ところが、西洋では大臣や会社の重役や、大学教授やに扮して、少しも不自然を感じさせない俳優がざらにゐるにも拘はらず、日本には、もう、官庁や会社の課長級、さては、中学校の英語教師さへも、一個のタイプとしてみる時、これに適した俳優がなかなか探し出せないではないか。勿論、厳密な配役標準によるのであるが、これをいい加減にやるところから日本映画の根本的幼稚さ、インチキ性が生れ、これを飽くまでも厳密にやり得るが故に、西洋映画の技術以上の面白さ、即ち真実さが生れるのである。(一九三六・八)
底本:「岸田國士全集23」岩波書店
1990(平成2)年12月7日発行
底本の親本:「時・処・人」人文書院
1936(昭和11)年11月15日発行
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2009年9月5日作成
青空文庫作成ファイル:
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