音の世界
岸田國士
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)何時《いつ》まで
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから5字下げ]
−−
[#ここから5字下げ]
女
男甲
男乙
其の他
[#ここで字下げ終わり]
[#改ページ]
[#ここから5字下げ]
舞台は、連絡なき三つの場所を同時に示し得るやう、その空間を利用して、それぞれ独立した装置を施す。
三つの情景は、大体次の如き関係に配置されてゐればよい。
[#ここから9字下げ]
Aは、ホテルのアパルトマンに属する贅沢なサロン。
Bは、別のホテルの一人用寝台附小室。
Cは、ある商店の電話室。
[#ここで字下げ終わり]
[#A、B、Cの図省略]
[#改ページ]
[#ここから5字下げ]
時刻は午後九時。
Aの部屋では、男甲がソフアに倚つて夕刊を読んでゐる。その妻らしき女が、隣室から出て来る。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
女 ちよつと、大きい方のトランクを開けて頂戴な。
男甲 もう寝るんだから、明日にしたらどうだ。
女 今
次へ
全21ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
岸田 国士 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング