演劇論の一方向
岸田國士

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)戯曲論《ドラマツルギイ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「口+伊」、第4水準2−3−85]

〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔e'loquence〕
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://www.aozora.gr.jp/accent_separation.html
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 凡そ、如何なる芸術と雖も、若干の「法則」に従はないものはない。と同時に、それらの「法則」を無条件に受け容れることは、甚だ「保守的な」態度と考へられてゐる。新しい芸術運動は、常にそれらの法則に対する反抗であり、又は、既成の法則に代る別個の法則の発見を目指してゐたのを見てもわかる。
 偶々、あらゆる法則の無視といふ宣言がなされたにしても、何かを「創り出す」ためには、既に、何かに「拠る」ことが必要であり、意識するとしないとに拘はらず、厳として、創造を貫く精神の、つつ
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