ならぬ。なぜなら、これらの観客は少くとも、この時代に於て、自分の眼をもつて物を見、自分の感覚で真実を嗅ぎ分ける能力をもつてゐる人たちだと思ふからである。
現在の新劇は、明日の近代古典となるのが唯一の正しい目標であると、私は固く信じる。明日の新劇は、われ/\の巣から飛び立つ若い頼もしい反逆児でなければならぬ。この宿命の潔《いさぎよ》い担ひ手を私は、すでに私の周囲に発見して、自分の仕事の力強い支へとしてゐるのである。
底本:「岸田國士全集24」岩波書店
1991(平成3)年3月8日発行
底本の親本:「東京朝日新聞」
1939(昭和14)年4月17〜19日
初出:「東京朝日新聞」
1939(昭和14)年4月17〜19日
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2009年11月12日作成
青空文庫作成ファイル:
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