演劇と政治
岸田國士

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     一 二つの角度

「演劇と政治」といふ題目を与へられたが、私は「演劇」について語り得るほど「政治」について語ることはできない。自然、この一文は、演劇と政治との関係を、「政治」の側からでなく、「演劇」の立場から述べることになると思ふ。
 しかし、「政治」なるものの概念が、近頃では少しづつ「わが国のかくあるべき政治」の概念に引戻されて来たやうであるし、さうなれば、政治技術の面ではともかく、常識としてのわれわれの思考の範囲で、いくらかの意見もたてられるわけである。まして、この新しい、或は正しい政治理念のもとにおいては、
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