ジュウル・ルナアル
岸田國士

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)幻象《イマアジュ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)屡※[#二の字点、1−2−22]

〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ
(例)〔Le Pain de Me'nage〕
アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください
http://aozora.gr.jp/accent_separation.html
−−

 劇作家としてのジュウル・ルナアルを識る前に、詩人としての――芸術家としてのルナアルを識らなければならない。
 彼は自ら称する如く、「幻象《イマアジュ》」の猟人である。自然を愛し、自然を味ひ、自然を呼吸しつつ、その全生涯を一種の厭世家として終始してゐる。
 芸術家としてのルナアルの偉大さは、彼が聡明なペシミストであるが為に、ただそれが為に、屡※[#二の字点、1−2−22]凡庸な批評家を近づけない。
 彼は叫ばない。彼は呟くのである。
 彼は泣かない。彼は唇を噛むの
次へ
全10ページ中1ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
岸田 国士 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング