らぬ。その意味で、この書物の編輯には、適切な選択が加へられ、時局下の出版として、いい勘がはたらかしてあることに敬服するものである。
但し、日本並びに日本人礼讃のすべてのくだりを、われわれはうつかりいい気持で読み過してはならぬと思ふ。なぜなら、たとへ無意識にせよ、そこにこそ、寧ろ、現在のわれわれに対する痛烈な警告と皮肉とが含まれてゐないことはないのだから。わかりきつたことのやうであるが、これだけのことはどうしても云ひ添へておきたい。
昭和十七年五月
底本:「岸田國士全集25」岩波書店
1991(平成3)年8月8日発行
底本の親本:「日本を観る」青山出版社
1942(昭和17)年7月31日
初出:「日本を観る」青山出版社
1942(昭和17)年7月31日
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2010年3月1日作成
青空文庫作成ファイル:
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