を負ふつもりである。
 満洲作家としてこの集に名を連ねた人々の才能は何れも美しい才能であるに違ひない。われ/\は、年々同じ企てが繰り返される意味を重大なものと考へてゐる。それは一つ一つの才能が伸び育つといふことの明かなしるしとなると同時に、われわれが絶大な関心を払ふ盟邦の文化の健やかな高まりがこれによつて正しく記録されるであらうからである。
 創元社の意図はもとより第一に、満洲作家を日本の読者に紹介することにあるとは言へ、この企画の含む幾多の効果を考へれば、私は選者の重任を負うた一人として、こゝに更めて日満両国の文壇並に識者が、この選集に対して十分の注意を払はれんことを期待する。
[#地から2字上げ](昭和十七年三月二十一日福島の旅舎にて)



底本:「岸田國士全集25」岩波書店
   1991(平成3)年8月8日発行
底本の親本:「満洲国各民族創作選集第一巻」創元社
   1942(昭和17)年6月30日
初出:「創元 第三巻第三号」
   1942(昭和17)年4月10日
入力:tatsuki
校正:門田裕志
2010年3月1日作成
青空文庫作成ファイル:
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